GERBERA PARTNERSブログ

ドバイ|ドバイに進出又は移住する際の各種税金および税務リスク

2023/12/19

Q、ドバイは税金がかからないと聞いていたのですが、法人税がかかる可能性があると小耳にはさみました。また、ドバイに移住しても日本で税金が課税される恐れがあるというのは本当でしょうか?ドバイの税金について教えてください。

A、ドバイではこれまで所得税と同様に法人税も課税されなかったのですが、2023年6月から法改正により一部の地域を除いて法人税が9%課税されることになりました。また、日本の外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)による税務リスクなどがあります。そのため、ドバイで法人を設立する際は、まずは各種の税務リスクを洗い出した上で事を進めていかなければなりません。以下にドバイの税金について解説します。

 

解説(公開日:  最終更新日:

   

2023年11月、当社の東京オフィスの目と鼻の先に、日本で最も高い麻布台ヒルズがオープンしました。高さはなんと330mで、すぐ近くの東京タワーが333mですから、虎ノ門界隈でも非常に目立っております。

 

しかし、世界を見渡してみると、その日本一高い麻布台ヒルズでさえ、実は世界ランキングでは100位以内にも入っていません。それもそのはず、日本は地震大国のため、高いビルはそもそも建てにくいのです。そのランキングで第1位に輝くのはどこでしょうか?それは、2010年にドバイで完成されたブルジュ・ハリファという高層ビルです。その高さは何メートルかご存知でしょうか?

 

なんとなんと、ドバイのブルジュ・ハリファは206階建てで、高さは828mです。日本一高い634mの東京スカイツリーよりも200m以上も高く、まさに経済成長著しいドバイのシンボル的存在となっています。また、隣接地域には、ドバイ最大のショッピングセンターである「ドバイモール」がひろがっており、このエリアがドバイの中心地であると言えます。ちなみに「ブルジュ」とはアラビア語で「タワー」を意味し、「ハリファ」はアラブ首長国連邦の大統領の名前に因んでいます。

 

さて、そんな経済成長著しいドバイは、今や世界中から注目を集め、投資がどんどん集まっている地域です。立地的にもアジアとヨーロッパ、そしてアフリカの中心に位置しており、このドバイで世界の原油価格も決まっています。この成長著しいドバイに拠点を置き、また税務メリットを享受しようと考える日本企業あるいは日本人事業者が増えています。

ドバイの高層ビル「ブルジュ・ハリファ」

これまでガルベラ・パートナーズでは、香港やシンガポールなどのタックスヘイブンと呼ばれる軽課税国にも現地法人を置き、会計士を雇用して、オフショア地域での現地法人設立や会計税務業務、ビザ申請業務、給与計算・労務管理などを手掛けてまいりました。

 

実はドバイは2005年に当社代表が赴いており、今後注目すべきエリアであることを目の当たりにしてはいましたが、アジアやアメリカへの進出を優先したこともあり、ドバイ進出支援業務は後回しとなっていました。近年になり当社役員の提案により、ようやくドバイ進出支援の体制が整い、現地の会計士、弁護士、不動産事業者と提携しながら、当社クライアント企業のドバイ進出を後押しできるようになりました。

 

本稿では、日本企業がドバイに進出するにあたって押さえておきたい税金の話について解説させていただきます。

 

ドバイの主な税金

ドバイへの進出・移住にあたり、日本企業や日本人事業者が最も気になることの一つは税金のことではないでしょうか。

「ドバイでは税金がかからない」という話を聞かれたことがあるかも知れませんが、これは、当たってもいますし、外れてもいます。税金が全部かからないというわけではないからです。以下に主な税金について解説してまいります。

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(1)ドバイの個人所得税

ドバイでは個人所得税はかかりません。石油の恩恵を受けて、ドバイ人に限らず、外国人も所得税は免除されています。

 

(2)ドバイの法人税

一方、法人税はエリアによってはかかります。このエリアというのは、ドバイでは大きく2つに分けられており、1つは「フリーゾーン」といい、もう1つは「メインランド」といいます。

 

a.フリーゾーン

フリーゾーンと呼ばれるエリアでは、法人税は免除されています。民間が運営している場所もあれば、国家が運営している場所もあり、また人気もそれぞれ異なります。法人の設立に際して、一気に行政手続きが可能なのが特徴ですが、20人未満の雇用に抑える必要があります。また、取引はフリーゾーン内でのやりとりのみ免税であり、オフィスがフリーゾーンに所在してさえいれば、自宅でもかまいません。ただし、フリーゾーン域外での売上に対してはその所得について法人税が課されます。

 

b.メインランド

フリーゾーン以外のエリアをメインランドと言います。メインランドでは、2023年12月現在、375,000ディルハム(約1,450万円/2023年12月現在)以上の利益に対して9%の法人税が生じます。これは2023年6月から施行された法律で、まだまだ税制が国内に浸透しきれておらず、申告方法なども今後整備されていく予定となっています。

 

(3)ドバイの付加価値税(消費税)

売上の5%から、仕入の5%を控除した金額を納税しなければなりません。

 

(4)ドバイでの税務登録

ドバイでは、納税者番号を取得しなければなりません。

これはオンラインで申請が可能です。ご自身でもできますが、専門家にゆだねると安価でスムーズに進めることが可能です。

 

ドバイの街並み(昼)

 

ドバイに進出又は移住するにあたっての税務リスク

日本で役員給与を高くもらったり、個人事業主として儲かっていると、日本での課税を免れるためにドバイや香港、シンガポールなどのタックスヘイブン(租税回避地)に進出又は移住を検討するケースがありますが、ドバイに進出又は移住するにあたり、以下の点に留意する必要があります。

 

(1)外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)

株主が日本にいる場合において、ドバイに事務所を持たず、人材も雇用しないまま、国税庁が定める一定の取引にとどまってしまっている場合は、日本国内で取引を行ったものとみなされ、ドバイ法人の利益が日本の株主の所得に合算されてしまいます。

 

(2)居住者認定

非居住者になることによって、上記aの外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)や個人の所得税を不当に免れようとする者に対しては、たとえ年の半分以上国外にいたとしても、日本の居住者として認定される場合があります。

 

(3)移転価格税制

日本法人がドバイ法人に不当に高い金額で物品を輸出することにより法人税課税を免れようとした場合は、移転価格税制が発動されます。

 

(4)国外転出時課税

たとえば1億円以上の金融資産を保有している者が国外に移転しようとする場合、移転時にその含み益に対して所得税等が課税されます。

 

ドバイへの移住や進出をご検討の事業者様へ

日本での課税が高すぎる事業者がドバイに移住する例が増えています。ドバイ(香港やシンガポールなどの軽課税国を含みます)への移住にあたっては、税金の面と、ビザの面を明確に理解してから出国する必要があります。

 

ガルベラ・パートナーズグループでは、日本国内の税理士やドバイの提携会計士が、ドバイへの移住や現地法人の設立、現地の税金、不動産購入についてリーズナブルにコンサルティング・サービスを行っております。ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

お問い合わせ先:https://gerbera.co.jp/contact/

ドバイの街並み(夜)

 

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