2016/07/08
Q アメリカで会社を設立したのですが、実際の投資額がそれほど多くないため、ビザを取得しようとしたところ、難航しています。立ち上げのために駐在員が赴かなければならないのですが、何かいい方法はありませんか?
A 投資額が20万ドル程度あれば、E2ビザの申請もできるのですが、それほど投資額がないということですので、本来であればL1ビザという就労ビザの取得を目指すのが一般的となります。
L1ビザはアメリカの拠点で管理職に就く方が取得するのが一般的ですが、最近は非常に厳しくなっており、現地の社長といえども、きちんとした説明ができないままでは取得がかなわない状況です。
もし、L1ビザが取得できないのであれば、ノービザで90日以内の滞在を繰り返すというのも一つの方法となります。アメリカでは、日本や西欧諸国など一定の国の国民に対しては、ビザ免除プログラムによりノービザで90日以内の滞在が認められています。
この制度を利用すれば、アメリカで一定期間滞在することができることになり、その期間内に米国現地法人の立ち上げ時の各種準備をしたり、現地での打ち合わせ、交渉などをおこなったり、あるいは店舗の内装監理やオープン前の従業員教育をしたりすることもできます。
ただし、日本人といえども、イラク、イラン、シリアなど一定の国に行ったことがある人は、政府や国際機関職員でない限りノービザでの渡航は難しいですので、ご注意ください。
また、どうしても滞在期間が90日を超えてしまうことが想定される場合は、やはりビザを取得しなければなりません。ただし、就労ビザの取得が難しくて時間を要するのであれば、商用ビザであるB1ビザの取得を目指すのも一つの方法となります。
たとえば米国現地法人をまだ設立していない場合や、設立していたとしてもE2ビザやL1ビザの発給要件に合致していない場合に、このB1ビザの取得を目指すことが一つの打開策となりえます。
B1ビザは、米国内での就労は認めらていませんので、現地でお給料を受け取ることはできず、日本本社からの出張者扱いとなり、給料も日本側で支給しなければなりません。期間は6ヶ月以内となっておりますので、米国現地法人の立ち上げのために現地に赴く必要がある方で、90日を超えて6ヶ月以内の滞在をしなければならない場合に取得を目指すことになります。
もし90日以内に日本に帰国することができるのであれば、わざわざB1ビザを取得する必要もなく、上記のビザ免除プログラムを利用すれば足りることになります。
ところで、アメリカ駐在員は、飲酒運転など、米国の法律に違反して逮捕されたり、派手な夫婦喧嘩や家庭内暴力が問題化した場合などは、強制送還の憂き目に遭ってしまうこともありますので、会社が十分な教育を行い、品行方正に行動することが求められます。
駐在を命じる際には、アメリカでしっかりと法律を守り、正しい市民行動をとる方を選ばなければなりません。どんなに優秀でも、普通に生活を送れない人を駐在させることは、企業にとって大きなリスクとなりますので、十分ご注意ください。駐在員への赴任前研修をしっかりと行い、現地の法律や慣習を意識させることが必須といえます。
【お知らせ】
アメリカのビザ取得が難しくなってきています。ビザに関して、お困りのことがございましたら、なんなりとご連絡ください。
また、3ヶ月に1回のペースでアメリカ飲食店進出セミナーを開催しており、いまのアメリカの飲食事情をご紹介するとともに、設立や税務、労務、ビザについてもご案内しています。ぜひご参加いただき、転ばぬ先の杖としてご活用いただければと思います。セミナーのご案内は、ホームページに記載していますので、そちらをチェックしてください。
アメリカ市場へ進出するには、まずはマーケットを知り、ビジネス環境や法制度を知らなければなりません。アメリカとアジアへの海外進出支援を手掛けるガルベラ・パートナーズグループでは、米国進出サポート専門のコンサルティング会社である株式会社グローバル・フォーカスにおいて、米国生まれ米国育ちで現地を知りつくしている日本人責任者をはじめ、数多くの現地スタッフや提携先パートナーが、皆様の米国進出を強力にサポートしております。ぜひお気軽にご相談ください。
HPはこちら!
◆ ガルベラのメールマガジンに登録しませんか◆
当社では毎月1回、ご登録をいただいた皆様へメールマガジンを配信しております。
税務・労務・経営に関する法改正や役立つワンポイントアドバイスをご案内しておりますので、ぜひ貴社の経営にご活用ください!
10秒で登録が完了するメールマガジン 登録フォームはこちら!!