キャリアアップ助成金（正社員化コース）が拡充されました | ガルベラ・パートナーズグループ

Ｑ、令和5年11月末にキャリアアップ助成金（正社員化コース）が拡充されたと聞きました。どのような内容になったのでしょうか。

Ａ、令和5年11月29日に変更されましたが、従来からの変更点は大きく４つです。
①（正社員転換時）一人あたりの助成金額アップ　②対象となる有期雇用労働者等の要件緩和　③正社員転換制度を規定したら加算 ④多様な正社員制度を規定したら加算 です。

 

解説（公開日： 　最終更新日： ）

   

キャリアアップ助成金（正社員化コース）とは

キャリアアップ助成金には数種類のコースがありますが、「正社員化コース」は、契約社員、パートタイム労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用労働者を正社員に転換する取り組み（キャリアアップ）を実施した事業主に対して助成金が支給される制度です。厚生労働省が管轄する助成金のなかでは幅広く活用されている助成金で、申請件数も比較的多いことから、注目度の高い助成金制度のひとつであると言えます。

 

今回の改正点は？

①　助成額（一人あたり）の拡充

企業規模	現行	拡充
中小企業	57万円	80万円
大企業	42.75万円	60万円

これまでのキャリアアップ助成金（正社員化コース）は、正社員転換後6ヶ月間、毎月の賃金を支給したら、会社が一定額の助成金（中小企業であれば57万円）を申請することができる制度でした。今後は、6か月ではなく12ヵ月分の賃金を支給した後に拡充した額（上表の赤枠内）が助成される制度に生まれ変わり、助成金を申請するタイミングが2回（中小企業であれば、6ヶ月ごとに40万円ずつ）に分割されました。

 

ほかに変更点は？

② 有期雇用の期間の要件緩和

対象となる有期雇用労働者の 雇用期間	現行	拡充
	6か月以上3年以内	6か月以上

正社員転換の対象となる有期雇用労働者等の雇用期間について、今までは「6ヵ月以上3年以内」となっていました。今後は、雇用期間が「6ヵ月以上」であればよいとされ、3年以内という年数制限が緩和されます。ただし、有期雇用の期間が通算5年を超えたら、いわゆる無期転換権が発生するため、転換前の雇用形態が無期雇用労働者とみなさることから、「無期から正規」への転換として助成対象とされ、助成額が半額になります。

 

変更点はまだあります

他の変更点としては、③正社員転換を新たに規定、④多様な正社員（いわゆる限定正社員など）制度を新たに規定、したら助成金が加算されます。

 

③正社員転換を新たに規定、というのは、現状の就業規則等で正社員転換の記載がない状態の事業主が、新たに正社員転換を制度として規定した場合に助成される、という趣旨です。

上述の①の正社員転換をした場合に加算として支給され、助成額は以下の通りです。

正社員転換制度を新たに規定し、 当該雇用区分に転換等した場合 ※1事業所当たり加算額 （1事業所当たり1回のみ）	新設
	20万円(大企業 15万円) （1人目の転換時に①＋③で 合計100万円(大企業75万円)助成）

また、④多様な正社員制度の規定は、勤務地限定正社員や職務限定正社員、短時間正社員など、多様な働き方の要望に応じて制度を新たに新設し、する場合に助成される、という趣旨です。

上述の①の正社員転換をした場合に加算として支給され、助成額は以下の通りです。

 

「勤務地限定・職務限定・短時間正社員」制度を新たに規定し、当該雇用区分に転勤等した場合  ※1事業所当たり加算額 （1事業所1回のみ）	現行	拡充
	9.5万円 (大企業 7.125万円)	40万円 (大企業 30万円) （1人目の転換時に①＋④で合計120万円(大企業90万円)助成）

以上、厚生労働省『キャリアアップ助成金　正社員化コースを拡充しました！令和5年11月29日以降における変更点のご案内』より引用抜粋

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