GERBERA PARTNERSブログ

社会保険|夜勤は何日とカウントする? (労基・労災 平均賃金)

2023/03/31

Q、介護施設で労務を担当しています。夜勤業務がありますが、労災の平均賃金を計算する際に、夜勤をした日は1日とするべきでしょうか、それとも2日とするべきでしょうか?

A、労働基準法(労災保険の給付基礎日額は労働基準法の平均賃金から求めます)の平均賃金の算出について、2暦日にわたる勤務について、どのように取り扱うかが決められています。根拠とともにご説明します。

 

解説(公開日:  最終更新日:

   

(1) 平均賃金の計算について

原則として、平均賃金は、算定すべき事由の発生した日以前3か月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額です。原則として事由の発生した日以前3か月間に、その労働者に支払われた 賃金の総額 を、その期間の総日数(暦日数)で除した金額です。

ただし、賃金が日給や時給で算定されたり、出来高払いなどで定められた場合、賃金の総額を労働日数で除した60%で算出した額の方が高い場合は、その額が最低保障として適用されます。

 

平均賃金の計算についての詳細はこちらをご覧ください。

労働基準法のあらまし(東京労働局労働基準部:PDF)

(厚生労働省作成の労基法に関するとても分かりやすい資料です。21ページに平均賃金について載っています)

 

(2) 2暦日にわたる勤務を行う労働者の平均賃金の算定について

所定労働時間が2暦日にわたる勤務を行う労働者に係る平均賃金の算定については、通達(昭45・5・14 基発第374号)があります。

 

ここから、原則は、

  1. (1)
    「算出すべき事由の発生した日」については、当該勤務の始業時刻の属する日に事由が発生したものとして取り扱う
    (2暦日目に発生していても1暦日目を算定事由発生日とする)
  2.  
  3. (2)
    「労働した日数」の計算においては、当該勤務を始業時刻の属する日における1日の労働として取り扱う

となります。

 

例外として、「一昼夜交替勤務のごとく一勤務が明らかに2日の労働と解することが適当な場合には、原則どおり、当該一勤務を2日の労働として計算すること」とされています。

 

上記(1)、(2)について図にしたものが、以下の内容です。

(引用元)「労働基準法解釈総覧【改訂16版】厚生労働省労働基準局編 P.110 ※ 緑色の数字は、筆者が追記したものです。

(引用元)「労働基準法解釈総覧【改訂16版】厚生労働省労働基準局編 P.110

緑色の数字は、筆者が追記したものです。

 

上記(1)、(2)から

(イ)の例(算定期間は原則どおり3か月、かつ、賃金締切日の無い場合)

「算出すべき事由の発生した日」は7月5日

「労働した日数」については、図内の( )内の労働した日数に7日を加えたもの

(ロ)の例(算定期間は9日あるものとする)

「算出すべき事由の発生した日」は8月15日

「労働した日数」については、7日

となります。

 

(3) まとめ

夜勤の方について、平均賃金を計算するときにどう日数をカウントするかは、その勤務形態で決まることとなります。貴社の夜勤の実態を上記の内容にあてはめても、明確な答えを見つけ出すことができない場合は、管轄の労働基準監督署にご相談ください。

 

弊社では、日常的なちょっとしたご相談へのお答えから、労務問題やコンプライアンス対策まで、幅広く承っています。お困りのことがありましたらお気軽に当グループ社会保険労務士までご相談ください。

 
 

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